バーニーズマウンテンドッグのRちゃん(5)
体の状態
Rちゃんは全体的にコリが見られましたが特に
・右胸筋
・右前モモ
・左の肩甲骨下部
・左腰
・右ふくらはぎ
に触ると嫌がるような目立ったコリがありました。
施術した結果
胸筋のコリは飼い主さまが触っても分かるような厚みのあるコリでしたが全体を施術するうちに解消されました。
その胸筋に下に引っ張られていた首がアフターでは上げられるようになっています。
そして右後ろ足にも大きなコリがありました。
右胸筋・右足と右半身の前後に大きなコリがあったわけですが、聞いてみるといつも右を下にして寝ているとのこと。
右が弱いから右を下にして寝ているのでしょう。
下にしている側はますます固くなってしまいます。
普段何気にみている寝方からも体の不調は想像できますね。
ビフォーアフターの動画
ビフォーでは何かにつっかえたような足の出し方をしていましたがアフターはそれが解消され右後ろ足がしっかりと前に出ています。
後ろから撮った動画のキャプチャー。
後引していた骨盤が座骨があがって前引方向に変わったので張り出した腰骨がすっきりして見えます。
なんだかスリムになったように見えませんか。
骨盤の幅が変わる事はないので姿勢が変わったことで見た目のシルエットが変わる事はよくあります。
大型犬に多い股関節形成不全
以前Rちゃんのお散歩に同行させて頂いたことがありました。
片道20分ほどのお散歩でしたが10分ほど歩いたあたりから跛行が大きくなり左右の湾曲、腰の上下の揺れも気になりました。
股関節形成不全のせいで後ろ足で推進力がしっかり得られず腰や前足の負担が相当大きいと想像できます。
動けていないので筋力が弱くスタミナがなく短時間のお散歩になってしまい、ますます筋力が弱くなるという悪循環になりがちです。
大型犬を飼われている飼い主さんはよくご存じの疾患だと思いますが 股関節形成不全はレトリバーやシェパード、バーニーズ、ニューファンドランドなど大型犬~特大犬に多く見られます。
平べったいお尻と腰を左右に大きく振って歩く(モンローウォーク)のが特徴です。
Rちゃんも腰を大きく回して歩いているのがよくわかります。
重度になると痛みを伴い歩けなくなるので、痛みの原因である骨頭を切除し場合によっては人工骨頭を入れたりと犬にも飼い主さんにも負担の大きい大がかりな治療が必要になります。
整体ができるサポート
残念ながら整体では病気や疾患はどうすることもできません。
整体をしたからといって今かみ合っていない股関節がしっかりかみ合うようになる、形成不全が治る、といった事はありません。
「治療」は専門家である獣医さんに行くべきです。
整体で出来ることは負担がかかって動き辛くなっている筋肉を緩めて「動きやすい体」を作り動いてもらい筋力が衰えないようにサポートする、という事です。
股関節形成不全のワンちゃんは足に負担が少なくなるように痩せ気味の体をキープすることが予防法として挙げられます。
特に大型犬は寝たきりになると一気に弱ってしまいます。
飼い主さんの負担も半端ないです。
最近大型犬も長生きになったとはいえバーニーズの5歳といえばそろそろシニアの仲間入り。
たとえノロノロ歩きでも一生動ける体を維持していって欲しいです。
参考:気にしていますか?わが子の歩き方・後ろ姿 第5回 「股関節」 獣医師 鈴木
特定非営利活動法人日本動物遺伝病ネットワーク » 股関節形成不全とは