こんにちは。
犬の整体師の佐々野です。
骨盤がめちゃめちゃ立っていたNちゃん
Nちゃん トイプードル(11)
子犬の頃から足が悪く元気のない子犬だった、とのこと。
動かしにくいなどの不調の為に走り回ったり他のパピーと遊んだりするの事に消極的で、それが元気のない様に見えたのだと思います。
他のワンコが走り回る中、端っこの方でしっとり寝ていたらしいです。
右は膝蓋骨亜脱臼ではないかと思います。完全に外れてはいないが触るとカクカク、ポキポキ。痛みはないようですが犬は痛みに強い動物なのでもう慣れてしまっているだけかもしれません。
着地の時に足先が外を向いています。
右の膝蓋骨が弱いせいか、左の後ろモモに大きなコリがあり触ると嫌がりました。
左の腰、左の前足にも右より大きなコリとむくみがあり右の弱さをカバーするために左に負担がかかっていると思われます。
生まれつきの疾患のせいかお尻が極端に下がっています。
正常な犬の骨盤の角度は地面に対して約30°。

ところがNちゃんの骨盤は60°くらいでしょうか。ものすごく立っています。

これは以前、我が家の愛犬のうんちポーズに骨盤を落書きした、その角度に近いです。

見るからに後ろ足に大きな負担がかかっていることが容易に想像できますね。
なんとNちゃんは生まれてからずっと11年間、こんなにも大きな負担を後ろ足に抱えながら生活していたのです!
犬の整体ビフォーアフター
一見変化がないように見えますがよくよく見てみるとお尻が上がり、後ろ足の蹴り出しが大きくなりました。
肩関節と座骨の位置で比べてみるとお尻が上がっているのが分かります。
後ろ足にあった大きなコリが骨盤を下に引っ張っていたのではと考えます。


後ろ足の蹴り出しが大きく
そして後ろ足の蹴り出しも大きくなりました。当然ひざの曲がりも伸びています。


前足を後ろに運ぶときに働く筋肉も左右共に凝っており、それも解消されたので前足の運びも変わっています。
膝が伸びているのでなんだか足が長くなったように見えますね。
人間も膝を曲げて歩くのとピンと伸ばして歩くのとでは全然印象が違います。
本人の感覚も全然違いますね。
そして後ろから見た時の歩様が一番変わりました。
膝が外を向いてなんともいかつい歩き方をしていましたがだいぶ改善されました。
トイプードルらしくない発達した筋肉
Nちゃんは幼少期からの疾患で後ろ足に大きな負担がかかっています。
その足でずっと生活してきたので後ろモモの筋肉がびっくりするくらい大きく発達していました。
コリではなく筋肉です。
足が悪い弱いと聞いていたのでさぞかし筋肉は小さいだろうと思っていたのですが、ちゃんとNちゃんの体にあった筋肉がしっかり発達していたので感心しました。
やっぱり動物は強いです。
Nちゃんは犬の正しい姿勢を目指す必要はないと思います。
骨盤が普通と比べてすごく立っていてもNちゃんにとってはそれが普通の姿勢。
他のトイプードルにはない、Nちゃんの体にあった筋肉がこんなにもしっかり発達しているのですから、これからはその立派な筋肉をしっかりケアして「動きやすい体」を維持していく事が大事だと思います。
ペイスという犬の歩様
Nちゃんはペイスという歩様で歩いています。
人は歩くとき右足と左手、左足と右手、を交互に出して歩きますね。
犬も同じで通常は右後ろと左前、左後ろと右前、とななめの組み合わせを交互に出して歩きます。
ペイスという歩様は
右前と右後ろ、左前と左後ろ、と同じ側の足を出して歩く歩様です。
異常ではありません。老犬や緊張したとき、疲れた時などに使う歩様です。
マンガで、ガチガチに緊張した人が片側の手足を同時に出してロボットのように歩く、あの歩き方です。
ペイスは体重が片側に偏ってしまうため骨格に歪みが生じやすいと言われています。
が、Nちゃんは恐らくずっとこの歩様で生活していると思うのでそのままでいいと思います。
整体後はぐっすり

整体は筋肉を触るので運動と同じような疲労感があります。
感覚としては水泳の後のような感じでしょうか?
普段は丸まって寝ることが多いそうですが、終わった後は腕をだらーんと前に伸ばして「疲れた~」というような感じで、飼い主さんもあまり見たことがないという格好で爆睡していました。
その日は良く寝ていたとご報告いただきました。
参考:書籍「絵で見る犬の構成と歩様」
犬の歩き方、走りかた~Gaitの5分類
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