子犬の頃から足が悪く元気のない子だったそうです。
動かしにくいなどの不調の為に消極的で、それが元気のない様に見えたのだと思います。
他のワンコが走り回る中、端っこの方で寝ていたらしいです。
骨盤がめちゃめちゃ立っていたNちゃん
11歳トイプードル。
右の膝が触るとカクカク、ポキポキ。
痛みはないようですが犬は痛みに強い動物なのでもう慣れてしまっているだけかもしれません。
着地の時に足先が外を向いています。
右の膝蓋骨のポキポキのせいか左の後ろモモに大きなコリがあり触ると嫌がりました。
左の腰、左の前足にも右より大きなコリとむくみがあり右の弱さをカバーするために左に負担がかかっていると思われます。
お尻が極端に下がっています。
ところがNちゃんの骨盤はものすごく立っています。
これは以前、我が家の愛犬のうんちポーズに骨盤を落書きした、その角度に近いです。
見るからに歩きづらいことが容易に想像できますね。
犬の整体ビフォーアフター
お尻が上がり、後ろ足の蹴り出しが大きくなりました。
分かりやすいように肩関節の位置と座骨の高さを比べてみました。
座骨が上がっているのが分かります。
後ろ足にあった大きなコリが座骨を下に引っ張っていたのではと考えます。
後ろ足の蹴り出しが大きく
膝が進展し後ろ足の蹴り出しが大きくなりました。
前半身の筋肉も左右共に凝っておりそれも解消されたので前足の運びも変わっています。
膝が伸びているのでなんだか足が長くなったように見えますね。
人間も膝を曲げて歩くのとピンと伸ばして歩くのとでは全然印象が違います。
本人の感覚も全然違いますね。
そして後ろから見た時の歩様が一番変わりました。
膝が外を向いてなんともいかつい歩き方をしていましたがだいぶ改善されました。
とても発達した筋肉
Nちゃんは後ろ足に大きな負担がかかっています。
その足でずっと生活してきたので後ろモモの筋肉がびっくりするくらい大きく発達していました。
コリではなく筋肉です。
足が悪い弱いと聞いていたのでさぞかし筋肉は小さいだろうと思っていたのですが体にあった筋肉がしっかり発達していたので感心しました。
やっぱり動物は強いです。
Nちゃんは犬の正しい姿勢を目指す必要はないと思います。
骨盤が普通と比べてすごく立っていてもNちゃんにとってはそれが普通の姿勢。
他のトイプードルにはないNちゃんの体にあった筋肉がこんなにもしっかり発達しているのですから、これからはその立派な筋肉をしっかりケアして「動きやすい体」を維持していく事が大事だと思います。
側対歩という犬の歩様
Nちゃんは側対歩という「同じ側の前後の足が同時に前に出る」歩様で歩いています。
異常ではありません。
老犬や緊張したとき、疲れた時などに使う歩様です。
体重が片側に偏ってしまうため骨格に歪みが生じやすいと言われています。
が、Nちゃんは恐らくずっとこの歩様で生活していると思うのでそのままでいいと思います。
整体後はぐっすり
整体は筋肉を触るので運動と同じような疲労感が出る子がいます。
普段は丸まって寝ることが多いそうですが終わった後は腕をだらーんと前に伸ばして「疲れた~」というような感じで爆睡していました。
その日は良く寝ていたとご報告いただきました。
参考:書籍「絵で見る犬の構成と歩様」
犬の歩き方、走りかた~Gaitの5分類