若い時と同じパフォーマンスが出来ないのは人も犬も同じ。
そして犬は人より早く年を取る。
ステージにもよりますが成犬だと一年に約4歳年取ると言われています。
今のままの状態で数年後もいけるわけがないんです。
手術したら「治った」と思うけど・・・
両足に膝十字靭帯オペの過去とパテラ(膝のお皿が時々はずれる)、それに
レッグペルテス(骨頭の問題)をもつ
ワンちゃんが施術を受けてくれました。
まだまだ若い5歳。
ケンケンしつつも見た目には普通に歩いています。
リードも引っ張るし坂道もぐいぐいいけちゃいます。
一見、手術も成功して何の問題もなさそうなんだけど
施術させてもらうと実はそうでもありませんでした。
具合の悪い足に頼るわけないんですよね
ケンケンしていると「その足が悪いんだな」っていう予想はできます。
そして「反対側の足に負担が大きいんじゃないかな」ていう
予想も立ちます。
だけどこのワンちゃんは両足にハンデがあるからどっちの足にもあまり頼れてなくて
前足に頼って歩いているのが分かりました。
多くの飼い主さまは「手術したら治る」=「元のように(普通に)歩ける!」
と思っているけど
今の状態は「治る」かもしれないけど
手術した足を犬が使うわけないんですよね。
だって4本も足があるんだもん。。。
人は意識して弱い方を鍛える事ができるけど犬にそれはなかなか難しい。
使っているところと使ってないところ、数年後はどうなるか考えてみて
このワンちゃんは後ろ足の使い方も左右差があり、前足がめちゃ頑張っていました。
犬は後ろから弱ると言われています(理由はこちらのセミナーでお伝えしています)
ただでさえ前足加重なのに、後ろを使わないように生活していたら・・・?
今はまだ5歳で問題なく(ケンケンしてるけど)歩けているけど
これからシニアにかかっていくお年頃。
何もしなければ数年後はどうなるかなぁって予想してみて下さいね。
恐らく前のコリが大きくなって首や肩甲骨の動きが悪くなり
後ろ足の筋肉は衰退していってますます使わなくなるでしょう。
ますます前に頼るようになり、前の負担増で
そのうち歩くのを嫌がるんじゃないかしら。
そうなってから慌ててケアや筋トレしようとしても無理ってもんです。
誰も愛犬を寝たきりにしたいなんて思ってないはずです。
理想の老後から逆算していったら「今何をしてあげられるか」が見えてくるはず。
施術後の考察
上:ビフォー 下:アフター
パテラとレッグペルテス(大腿骨の骨頭の問題)があり
余り使えてなかった右の後ろ足。
大腿直筋、薄筋をほぐす事により可動域が広がりました。
負担の大きかった肩甲骨周りや胸筋もしっかりほぐして
肩甲骨が動きやすくなりました。
どちらの疾患も即手術!というほどのレベルではないそう。
筋肉でカバーしつつ手術しないでいけたらヨシ!ですもんね。
その筋肉をつけるために可動域の広さは大事なのです。