私は犬の整体師になる前は動物病院でVTとして働いていました。
その時によく使った言葉
「体質だから仕方ないですね」「遺伝だから仕方ないですね」
皆さんも言われたことないですか?
「はぁ、どうしてこんなにしょっちゅう下痢するのかしら?」
「うーん、体質ですね、下痢しやすい体質」。。。
「このこ、耳が全然治らなくて・・・治ってもまたすぐ悪くなるし」
「体質ですかねぇ、大変ですよね」。。。
っていう会話、しょっちゅうしてました。
「体質」「遺伝」という言葉は病院側からするとすっごく便利な言葉なんです!
遺伝・体質=このこポンコツよ?って事
私も「体質」「遺伝」をすべて把握してるわけじゃないから(当たり前!)ひょっとしたらそんなこともあるのかもしれません。
あると思ってたし、仕方ないと思っていました。
そしてこの言葉を言われたら飼い主さんは反論や疑問に思う余地がなくなってしまいます。
下痢が治らないのはこのコの体のせい。
しょっちゅう体調崩すのもこのコのせい。
治らない外耳炎も体質が悪い。
獣医さんが悪いんじゃない。このコの「体の質」が悪いのです!
と言われたら
「それなら仕方ないか・・・」って思うのが普通の飼い主さんですよ。
病院にとってこれほど便利な言葉はありません。
でもそれって「このコはポンコツだね」って言われてるんです。
うちの子には体を治す力がないと?
病気ばっかりする「体質」のうちの子は「ダメ」なんですか?
うちの子をバカにするな!って話です。プンプン!
正常だから症状が出るんです
なにかの症状が出るのは体が「正常」だからです。
ちゃんと戦えている、反応できているという事。
ポンコツだったら症状が出ません。出せないです。
悪いのは体が戦わざるを得ない原因がどこかにある、という事です。
体の許容範囲を超えてるから炎症が起きたり下痢したりする。
さっと拭いて終わってる汚い目ヤニや耳の汚れは小さなサインだったりします。
軽視せずに正しく対処していけば大事に至らずに済みます。
小さなサインの段階なら飼い主さんがおうちで出来ることがありますよ!
「治らない体質」などというものは生き物として終わってます。
全てを「体質」だといってペットのせいにするような病院は思い切って再検討してもいいと思います。
遺伝だとしても諦めるな
「遺伝」もそうじゃないかな、と個人的には思います。
一番強い精子と卵子があって一番強い者が子孫として残っていくわけです。
病気が引き継がれていく、なんて・・・生物としてどうなの?と思いませんか。
そもそもそんな生物、とっくに絶滅してないかな。
獣医師会のホームページには遺伝性疾患の例として
椎間板ヘルニア、皮膚アレルギー、パテラ、心疾患などが挙げられています。
。。。本当???
確かに膝の溝が生まれつき浅い、というのはあるかもしれない。
ヘルニアとかなんとかも(ちょっと笑っちゃうけど)あるの「かもしれない」。
でも
歩き方がおかしい→ヘルニアだね→遺伝だから仕方ないね
と短絡的におっしゃる獣医さんもいると思うのです。
その時点で獣医さんが「このコはポンコツ」とレッテル貼ってるわけです。
そんな簡単にポンコツって言わないで!と悔しくないですか??
でも、仮に遺伝だったとしても仕方なくなんかないです!
それとうまく付き合う事、またおうちでやれる事はあります。
手術に踏み切る事も場合によってはアリでしょう。
信頼できる獣医さんならそのあたりを指導してくれるはずです。
それらをしてみて、色々あがいてみて
それでも改善しなかったらそこで初めて「仕方ない」です。
でもそもそもポンコツなやつはきっと生きられてないから
生きてる、ということはポンコツじゃない。
遺伝とか体質という言葉は本当に便利なんだけど(きっとあるんだろうけど)極力使いたくない、と思っています。